０６年春闘統一要求
１ 組合員１人あたり平均賃上げ要求額
２ 最低賃金・最低保障賃金について
３ 夏季・冬季一時金ついて
４ 労働時間について
５ 休暇制度の改善について
６ 定年・退職について
７ 福利・厚生について
８ 労働災害・職業病について
９ 雇用保障と解雇規制について
１０ 組合活動の自由と権利拡大について
１１ 禁固や免停中の取扱いについて
１２ 経営環境の改善について
１３ 事前協議・同意約款について
１４ 憲法・増税について
１５ 以上の要求について
１６ 支部の付帯要求について

２００６（平成１８）年２月２1日

株式会社
代表取締役社長　　　　　　　　　殿

交通運輸一般労働組合本部
（略称　交運労）
執行委員長　木村　勝亜

　　　　０６年春闘統一要求書


１．組合員１人あたり平均賃上げ要求額

　政府が推し進める大企業優遇措置において正規雇用労働者が減り不安定雇用労働者が増大する中において大企業は８３兆円もの内部留保金をためこみ史上空前のバブル期を迎えています。その一方では中小企業で働く労働者の賃金が８年連続して減少しておりその金額も年間平均８６万円にも達しています。

　交運労は春闘要求をまとめるために「働くみんなの要求アンケート」を昨年の暮れから０６年１月まで実施しその調査の結果でも「生活が昨年より苦しくなった」という回答が圧倒的でした。

　交運労は一貫して「『国民経済を再生』するためには労働者のふところを温める以外にない。大企業の内部留保金（８３兆円）を中小企業や国民にはきださせることだ。」と主張してきました。

　つまりは規制緩和や構造改革の結果がライブドア事件・耐震偽造事件であり大企業優遇の「改革」をやめさせ国民のための「改革」にすべきであります。

　労働者の生活賃金はもはや待ったなしの状況です。タクシー労働者は生活保護以下の賃金になっている労働者も現れてきています。交運労が実施した「要求アンケート」の結果でも「あと幾ら必要か」との設問に「７万円以上必要」と答えています。

　しかし現在の中小企業がおかれている現状も認識せざるを得ない状況もあります。

　そこで交運労は０６年春闘・統一要求として定期昇給含む平均賃金の引上げを要求します。

① 　一般職（製造・販売等あらゆる産業を含む）トラック・バス・タクシー関連等のすべての労働者（正社員・フリーター・契約・パート・嘱託・アルバイト含む）について１人あたりの平均賃金１００００円以上の賃上げを要求します。
ⅰ タクシー労働者については足切制度に関係なく３．１％の歩合を増額すること。
ⅱ 累進歩合給を廃止して賃金の６０％を月額賃金として４０％を歩合給とすること。
ページの先頭へ


２．最低賃金・最低保障賃金について以下を求める

① 交運労最低賃金（１８歳以上の家族手当・通勤費を除く所定内賃金）
交運労最低賃金 ＝ 月　額１９０，０００円以上
日　額　　９，０００円以上
時間給　　１，１２５円以上
② 年齢別最低保障賃金
ⅰ ３０歳以上の労働者最低保障賃金＝月　額２５５，０００円以上
（家族手当通勤費を除く所定内賃金　勤続５年以上）
ⅱ ４５歳以上の労働者最低保障賃金＝月　額３６５，０００円以上
（家族手当通勤費を除く所定内賃金　勤続１０年以上）
ページの先頭へ


３．夏季・冬季一時金ついて以下を求める

① 交運労は年間統一要求額を１人平均７２万円以上とします。
（フリーター・契約・パート・嘱託・アルバイトについてもこれに準じて支給すること）
② タクシー労働者の場合、６ヶ月の売上金×１５％を年２回支給すること。
③ 原則として欠格条項を設けず長期病欠者についても十分な保障をすること。
④ 回答日は春闘統一要求書（本文のこと）と同日に行うこと。
⑤ 支給日は7月10日と12月10日までとして一括支給すること。
ページの先頭へ

４．労働時間について以下を求める

① １日８時間週35時間制完全週休２日制の実施。
年間総労働時間１,８００時間以内を実現すること。
② 変形労働時間制をとっているところについて
ⅰ 本人の合意を前提にし１日８時間制を基本に労働時間を平均して１週間あたりの所定労働時間を３５時間以下にすること。
ⅱ また対象期間の最長の所定内労働時間を１週４０時間１日８時間以内にすること。
ⅲ １ヶ月単位の変形労働時間制を採用している場合は変形期間開始までにあらかじめ「１ヶ月分」を各労働者の終始時刻を具体的に特定し「特定後の変更」は行わないこと。ただしやむを得ず「特定後の変更」の必要性が生じた場合は別途労使で協議するとともに本人の同意を得ること。
③ 「夜間時間帯」と「深夜時間帯」割増し賃金について
ⅰ 午後６時から翌朝７時までを「夜間時間帯」として所定内労働時間であるとしてもこの時間帯にかかる労働時間は２５％以上の「夜間割増し賃金」を支払うこと。
ⅱ 午後１０時から翌朝７時までを「深夜時間帯」として「夜間割増し賃金」に２５％以上の「深夜割増し賃金」を合算して支払うこと。（合計５０％ 以上「夜間＋深夜」）
④ 「割増し賃金」の支給について
所定労働の割増し率（超過勤務手当）５０％以上休日労働の割増し率５０％以上とし（フィリピン国労働者と同じ）「夜間割増し」「夜間割増し」と合算すること。つまり休日の深夜残業の場合割増し率は１５０％となり本給と合わせたとき２５０％の賃金となること。
⑤ 「夜間」「深夜」の労働について
ⅰ 深夜労働は現行協定を堅持するとともに新規の協定を結ぶ場合などは「妊婦」「産後１年以内の女性」「義務教育末了の子」「要介護者をもつ男女」を適用除外とすること。
ⅱ 満１８歳未満の労働者の深夜勤務は一切行わないこと。
ⅲ 家族的要件・社会的要件により深夜勤務ができないと申請する者を認め不利益な取扱いを一切行わないこと。
ⅳ 夜間労働者の労働時間を１日7時間（実労）以下週３５時間以下とし勤務間隔は１６時間 以上とすること。また回数は４週間を通じて６回以内とすること。
⑥ 変形労働時改制フレックス制裁量労働制の新たな導入に反対すること。
ページの先頭へ

５．休暇制度の改善について以下を求める
① 年次有給休暇・休日
ⅰ 採用時より１０日間以上の年次有給休暇を付与すること。
ⅱ 勤続１年以上の勤務者に対しては年次有給休暇を２０日間以上とすること。
ⅲ 「改訂」労基法による年次有給休暇の一方的な計画的付与は認めない。
ⅳ 振替休日は認めない。
ⅴ この場合の有給とは平均賃金（平均運賃）又は標準報酬日数とすること。
ⅵ 契約社員・パート・嘱託労働者などすべての労働者への適用を認めること。
② 育児休業（事業主に義務化されているので未協約をなくすこと）
ⅰ 育児休業は男女別なく原職復帰を条件に産後１年間の本人の選択制とすること。
ⅱ 休業中の賃金は平均賃金の６０％を保障すること。
ⅲ 定期昇給並びに一時金や次年度有給休暇日数などにこの制度取得を理由に不利益な取扱いを行わないこと。
ⅳ 必要に応じた代替要員の配置及び原職復帰など育児休業を取得する労働者が安心してその制度を利用できるように配慮すること。
ⅴ 契約社員・パート・食卓労働者などすべての労働者への適用を認めること。
③ 介護休業（事業主に義務化されているので未協約をなくすこと）
ⅰ 休業期間は時間・日単位で取得方法は１問度内に連続取得を含む最高１年とすること。
ⅱ 介護及び看護の対象については「同居及び別居の配偶者」「同居及び別居の父母（夫婦双方）」「同居及び別居の子供」とすること。
ⅲ 休業中最初の１０日間の賃金は平均賃金の１００％を保障すること。
ⅳ 休業中１１日目以降の１年までの賃金は平均賃金の４０％を保障すること。
ⅴ 必要に応じた代替要員の配置及び原職復帰など介護休業を取得する労働者が安心してその制度を利用できるように配慮すること。
ⅵ 契約社員・パート・嘱託労働者などすべての労働者などすべての労働者への適用を認めること。
④ 特別休暇制度の確立
ⅰ

結婚休暇は婚姻の度に連続取得10日以上の有給休暇を保障すること。
（結婚一時金２０万円以上の支給を求める）
ⅱ 妻の出産に伴う出産補助休暇を連続取得７日以上の有給で保障すること。
ⅲ ３０歳未満の労働者に対して研修・文化のための特別休暇を２日間以上（研修・文化の内容は労使協議）有給で保障すること。
ⅳ 子供をもつ労働者に対して教育休暇（入園・卒園・入学・卒学・参観・懇談など）を年間１０日間の有給休暇を保障すること。
ⅴ 病気休暇（４０歳以上は医師証明書不要）を設け年間２０日間の有給休暇を保障すること。
ⅵ 死傷病欠勤は有給休暇とし具体的な適用には別途労使協議のうえ協約を策定すること。
ⅶ 契約社員・パート・嘱託労働者などすべての労働者への適用を認めること。
⑤ 忌引休暇（以下の基準で有給を保障すること）
ⅰ

配偶者の場合は１０日間。
父母の場合は７日間。
ⅱ

子供は血族の場合は７日間。
姻族の場合は５日間。
ⅲ

２頭身以内の血族の場合は３日間。
２頭身以内の婚姻の場合は１日間。
ⅳ オジ・オバの場合は血族・婚姻ともに１日間。
ⅴ 同居人の場合は前記基準に順ずる。
ⅵ これ以外の場合は前記基準をもとに必要日数を認めること。
ⅶ 契約社員・パート・嘱託労働者などすべての労働者への適用を認めること。
ページの先頭へ

６．定年・退職について以下を求める
① 定年年齢は満７０歳とすること。
② 嘱託可能な職場については本人の意思にもとづいて雇用をさせること。
③

交運労退職基金の水準によるすべての退職基金の確立と改善をはかること。

　３０年勤続・定年者に対して１５００万円以上の退職金を支給すること。又は退職金１５００万円以上の支給実現のための計画を以下のプランを参考に現行退職金の水準と１５００万円への到達プランを労使で策定すること。 なお退職金の保全措置について協定すること。
【３０年勤続・定年者の退職金1,500万円到達プラン】
ⅰ ５００万円未満　（原稿退職金水準）の企業は５年以内に
ⅱ ７００万円未満　（　〃　）の企業は４年以内に
ⅲ ７００万円以上  （　〃　）の企業は３年以内に
ページの先頭へ

７．福利・厚生について以下を求める

① 社会保障料の負担割合を「労３；使７」とすること。
② 介護保険料の負担割合を「労０；使１０」とすること。
③ 交運労組合員については交運労が加盟している労働共済の「交通災害共済・医療共済・年金」などに加入すること。
ページの先頭へ

８．労働災害・職業病について以下を求める
① 業務上災害と特別上積補償について
　死亡及び障害１級～３級は４〇〇〇万円以上とすること。第３者行為の場合は相殺禁止。（死亡及び障害４級以下はこれに準ずる）
② 職業病や安全対策について
ⅰ 業務上疾病の企業保障と公傷時の賃金を保障すること。
ⅱ 腰痛症・ムチ打ち症・フォークリフト症・環境器症患などの職業病指定をするとともに企業内での特別精密検査の制度化をすること。
ⅲ すべての事業所で交運労組合員を含む安全対策委員会を設置すること。　
ⅳ 会社の費用負担で入社時に検診を行い３５歳以上の労働者に対して年１回の人間ドックを保障すること。
ページの先頭へ

９．雇用保障と解雇規制について以下を求める

① 過重労働をなくすための必要人員を確保すること。
② 企業の解散・譲渡合併など経営主体の変更・縮小及び解雇・出向・配転にあたっての事前協議と同意約款を締結すること。
③ 最高裁が下した「決定」内容解雇規正法の制定及び履行すること。
ページの先頭へ

10．組合活動の自由と権利拡大について以下を求める
① 組合活動のための組合特別休暇（有給保障）を年間４０日間与えること。
有給保障とは健康保険法の標準報酬日額を求める。
② 就業規則中の組合活動を認める。
③ 施設の利用をさせること。
④ 組合事務所を設置すること。
⑤ 組合掲示板を設置させること。
⑥ 組合への郵便物の受取及び電話の取次ぎを行うこと。
ページの先頭へ

11．禁固や免停中の取扱いについて以下を求める

　　　業務中での「禁固・又は免停者」については賃金を１００％保障すること。
ページの先頭へ

12．経営環境の改善について以下を求める

① 　運賃の底支え・公正競争確保の立場から産業別最低賃金確立に賛同されること。
② 　車両台数の供給量を抑制し法的地位向上につながる「タクシードライバー法」を法制化されるよう関係当局に働きかけ適切な対処をされること。
③ 　福祉・介護タクシーの全国的な拡大と制度の充実をはかるための助成を含む支援措置を講じさせ介護タクシーサービスを介護報酬の算定対象とする運動に積極的に賛成し交運労運動に参加すること。
④ 　路線バスをはじめ公共交通網は路線の廃止を行わず公共交通の地域サービスを向上させること。
ページの先頭へ

13．事前協議・同意約款について以下を求める

① 　会社は労働者に対して組合員であることや組合に加入しようとすることなどを理由に解雇したり不利益な取扱いを行ったり正当な理由なく団体交渉を拒否したり正当な理由なく団体交渉を拒否したりその他労働組合法第７条にいう「不当労働行為」は一切行わないこと。
② 　健康保険や雇用保険義務の履行などを含め諸法規を遵守すること。
③ 　賃金・労働条件・身分の問題は当事者労働者及び組合員と事前に協議し双方合意のもとに円満に実施すること。
ページの先頭へ

14．憲法・増税について以下を求める

① 　政府などはアメリカ支援のために憲法第９条を改悪して国民を戦争参戦に道を広げようとたくらんでいます。交通・運輸関係には無償で車と運転手を派遣するという大変危険な策動です。
　そこには経営権もなく、企業危機に直結する問題であり現行の平和憲法を守るために賛同されること。
② 　政府などはサラリーマン増税もたくらんでいます。
　内容は定率減税の完全廃止・給与所得控除の半減・配偶者控除・扶養控除廃止などとなっています。これが実行されれば労働者は生活することが困難になり企業に大幅賃上げ要求をせざるを得なくなり中小企業もまた経営危機となるもので法案阻止のため・反対に賛同されること。
③ 　また消費税引上げについても１０％～１６%にしようとしています。
　これが実施されれば②と同様に大きな負担が中小企業や国民に襲いかかるもので法案阻止のため・反対に賛同されること。
ページの先頭へ

15．以上の要求について

　回答指定日は３月１０日（金）とします。回答は文書で支部又は本部に回答書を郵送される　　よう求めます。（同日到着厳守）
ページの先頭へ

16．支部の付帯要求について

　第１５項と同様に回答を以下のとおりお願いを致します。

　回答指定日は３月１０日（金）とします。

　回答は文書で支部又は本部に回答書を郵送されるよう求めます。（同日到着厳守）
ページの先頭へ

以　上

　
　　　　組合活動
　　　　　

千葉県千葉市緑区おゆみ野６－２４　　　電話　０４３－２９２－２３８５