千葉労働局  御 中
千葉陸運支局  御 中
千葉タクシー協会  御 中
千葉地区構内運営委員会  御 中
交通運輸一般労働組合本部(略称 交運労)
                                         執行委員長 木村 勝

2006(平成18)年4月6日

                          要  請  書

 日頃から、県民や市民の労働行政や安全を守るために、ご奮闘されている貴職に、心から敬意を表します。

 さて、新聞やマスコミでは「タクシー業界への抜き打ち査察を国交省と厚労省が行う」と報道されており、その報道によれば、抜き打ち査察の主なる目的は、労働時間(拘束時間)の改善にあると言われています。

 しかし、それだけでは問題の本質の解決になりません。

 タクシー労働者(運転士)の賃金は、労働基準法違反の累進歩合給が支配していることは周知の事実です。

 02年2月に実施された「運賃の自由化・車両台数の規制緩和」によって、タクシー運賃の値下げ競争やタクシー台数の増車、新会社の増設などで、タクシー会社は7000社から8000社にもふくれあがり、タクシー台数も増え、千葉県内でも同様の状況が生まれています。しかし、輸送人員(タクシー利用者)は昭和45年をピークに減少傾向にあります。労働時間と賃金は密接な関係にあります。

 タクシー労働(運転)者の賃金(全国平均年収)は308万円に対し、全産業(全労働者)の賃金(全国平均年収)は543万円であり、タクシー労働(運転)者の平均労働時間は、年間2千412時間に対し、全産業(全労働者)の平均労働時間は、年間2千196時間となっています。タクシー労働(運転)者は、年間平均で216時間も多く働いても、賃金の格差が埋まらないのが現状であります。

 抜本的改善は賃金体系そのものにあり、その次に労働時間が問題なのであります。国は、目に見える交通事故を減少させれば良いと言う考え方で必ずしも賛同できないのです。賃金体系と交通事故が密接な関係があるということです。ここを抜きにして、改善など成り立つことはありません。

 抜き打ち査察が実施されれば、タクシー労働(運転)者に対し、さらなる賃金の減額が発生し、矛盾した取り組みだと非難せざるを得ません。このことは、小泉政権が行った規制緩和が完全に失敗している証明でもあります。直ちに規制緩和を撤回し、市町村の人口に見合ったタクシー台数へと規制を加えるべきです。

 JR千葉駅を出入りするタクシー業者に対し、JR千葉駅の出入り台数を3割削減する動きもありますが、この施策は、中小企業とそこで働く、労働者を苦しめるだけのものであります。深夜、JR千葉駅に出入りせずに、どこで営業を行えば良いのかと労働者の中でも批判が沸き起きています。

 弱い立場の労働者にしわ寄せを行い乗り切ろうとする姿勢は到底許されるものではありません。

 生活そのものを破綻に追い込む結果となり、格差社会を生むだけであります。

 そこで交運労は、緊急の課題として下記の項目の要請を行うものです。


                             

       1.小泉政治が推し進める規制緩和と構造改革の即時中止と撤回を行うこと

       2.賃金体系を歩合給から月給制の導入を図ること。

       3.国家公務員と同じ免許制度の導入を行うこと。

       4.JR千葉駅への乗り入れ削減を中止・撤回すること。

以上

 

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